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フォローコールを成功させるための具体的なコツとノウハウ

営業活動、展示会やウェビナー後のフォロー、そして顧客との長期的な関係構築において、今や欠かすことのできない「フォローコール」。この一本の電話が、あなたのビジネスを大きく左右する可能性を秘めています。

「アポイント後の丁寧なフォロー」「資料送付後の的確な確認」「展示会やウェビナー後の適切なフォロー」「商品購入後の心遣いあるサポート」これら全てのフォローコールが、顧客との信頼関係を深化させ、競合他社との差別化を図り、最終的には成約率を飛躍的に向上させる強力な武器となります。

しかし、多くの営業担当者が次のような悩みを抱えているのも事実です。

  • 「フォローコールで一体何を話せば良いのか、具体的な内容が思いつかない…」
  • 「何度もフォローコールをしているのに、全く成果に結びつかない…」
  • 「しつこいと思われたり、『押し売り』と警戒されたりしないか不安…」

この記事では、10年以上の営業経験で培った、フォローコールの効果を最大化するための具体的なノウハウを余すことなくお伝えします。成功への道を切り拓くためのコツ、実践的なトーク例、そして避けるべき失敗の注意点まで、分かりやすく解説していきます。

そもそも「フォローコール」とは?

フォローコールとは、一度接点を持った顧客や見込み客に対して、状況確認やサポートを目的として行う電話のことを指します。フォローコールは、単なる営業電話とは一線を画します。一度何らかの形で接点を持った顧客や、将来顧客になる可能性のある見込み客に対して、彼らの状況を確認し、必要なサポートを提供することを目的として行う、能動的なコミュニケーションです。

【シーン別・フォローコールの具体例】

  • 資料請求・ダウンロード後
    「お送りした資料はご覧いただけましたでしょうか?分かりにくい点などございませんでしたか?」と、疑問点の解消を促す。
  • 商談・打ち合わせ後
    「先日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。その後、ご検討状況はいかがでしょうか?何かご不明な点や追加で必要な情報がございましたら、お気軽にお申し付けください」と、検討を後押しする。
  • 展示会やウェビナー後
    「先日の展示会(ウェビナー)にご来場(ご参加)いただき、誠にありがとうございました。特にご興味を持たれた製品(セッション)はございましたか?」と、熱意が冷めないうちに具体的なニーズをヒアリングする。
  • 商品・サービス購入後
    「ご購入いただいた商品の使い心地はいかがでしょうか?ご不便な点はございませんか?」と、顧客満足度の向上と継続利用を促進する。
  • 長期間接点のない休眠顧客へ
    「ご無沙汰しております。以前ご案内させていただいた〇〇ですが、その後お変わりございませんか?」と、関係を再構築し、新たなニーズを掘り起こす。

重要なのは、常に「顧客に寄り添う」というスタンスです。「売りたい」という気持ちを前面に出すのではなく、「お役に立ちたい」という姿勢で接することが、フォローコールの成功、ひいてはビジネスの成功に不可欠です。

フォローコールが重要な理由

多忙な業務の中、なぜ時間を割いてまでフォローコールを行う必要があるのでしょうか?

その答えは極めてシンプルです。「フォローコールが、あなたの「売上」に直接的、かつ強力に貢献するから」です。

具体的には、フォローコールには以下のようなメリットが存在します。

①顧客の不安や疑問を能動的に解消できる

顧客が抱える些細な疑問や不安は、放置すれば失注の大きな原因となります。フォローコールによってこれらを解消することで、顧客は安心して次のステップへ進むことができます。

②競合他社との明確な差別化につながる

情報が溢れる現代において、商品の機能や価格だけで差別化を図ることは困難です。丁寧なフォローコールによる「人対人」の繋がりこそが、顧客に「この人から買いたい」と思わせる強力な付加価値となります。

③一度は落ち着いた購買意欲を再燃させられる

検討期間が長引くと、顧客の関心は薄れてしまいがちです。適切なタイミングでのフォローコールは、忘れかけていた商品の魅力を思い出させ、再び購買意欲を高める効果があります。

④顧客満足度(CS)を劇的に向上させる

「自分のことを気にかけてくれている」という事実は、顧客に大きな満足感を与えます。この満足が、リピート購入や知人への紹介といった、優良顧客化への道を拓きます。

⑤長期的な信頼関係(リレーション)を構築できる

ビジネスは一度きりの取引で終わりではありません。フォローコールを継続することで、顧客との間に単なる売買関係を超えた、長期的な信頼の絆を育むことができます。

特に近年、顧客が商品購入の過程で得る全ての体験を重視する「顧客体験(CX)」という考え方が主流になっています。優れた商品やサービスを提供するだけでは不十分で、購入後のサポート体験も含めたトータルな価値提供が求められています。

一本のフォローコールが、顧客のあなたに対する印象を決定づけ、未来のビジネスチャンスを大きく左右するのです

フォローコールを成功させる7つのコツ

ここからは、実践的で具体的なフォローコール7つのコツをご紹介します。

1. 目的を明確にしてから電話する

目的意識のないフォローコールは、ただの雑談で終わってしまいます。「今回の電話で、自分は何を達成したいのか?」というゴールを、コール前(電話前)に必ず明確にしましょう。

【ゴールの例】

  • 資料を見た感想をヒアリングしたい。
  • 顧客がどの部分に最も興味を持ったかを具体的にヒアリングする。
  • 次回の提案に向けた、具体的なアポイントメントの日時を確定したい。
  • 購入後の満足度を5段階で評価してもらい、その理由を詳しく聞く。

ゴールが明確であれば、話すべき内容や質問の順番も自然と整理され、会話の内容も組み立てやすくなります。

2. 顧客目線を意識する

電話口から少しでも「売り込みたい」というオーラが感じられると、顧客は瞬時に心を閉ざしてしまいます。フォローコールの基本は、相手の立場で相手の都合を最優先に考慮する姿勢です。

以下、顧客目線のポイントをいくつか列挙させて頂きます。

  • 顧客にとってのメリットを第一に伝える: 「この情報は、お客様の課題解決に必ず役立ちます」
  • 相手の状況や都合を最大限に尊重する: 「お忙しいところ恐縮です。今、少しだけお時間よろしいでしょうか?」
  • 決して無理なクロージングはしない: 「もしご興味がございましたら、また改めてご案内させていただけますでしょうか?」

この「GIVE」の精神、ポイントを徹底すると、顧客があなたに抱く印象は各段に良くなります。

3. 最初の10秒で「安心感」を作る

対面での会話と異なり、電話は相手の表情が見えないため、どうしても緊張感が生まれがちです。だからこそ、会話の冒頭、最初の10秒が勝負となります。

【相手の警戒心を解くフレーズ】

例:「〇〇様、いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇と申します。先日は〇〇の件でご連絡いたしましたが、本日はその後のご状況を少しだけお伺いできればと思い、お電話いたしました。今、1〜2分ほどよろしいでしょうか?」

「少しだけ」「1〜2分ほど」といった言葉を加えることで、「すぐに終わるなら…」と相手の心理的な負担を軽減し、話を聞いてもらいやすくなります。

4. 一方的に話さない【ヒアリング中心】

多くの営業担当者が陥りがちなのが、「何かを伝えなければ」と焦り、一方的に話しすぎてしまうことです。フォローコールにおいて、「話す」こと以上に「聞く」ことが重要です。

【顧客の本音を引き出すヒアリング例】

  • 「資料をご覧いただき、特にご興味を持たれた点はございましたか?」
  • 「もし何かご不明な点や、分かりにくい部分がございましたら、遠慮なくお聞かせいただけますか?」
  • 「実際に〇〇をお使いいただいて、何かお困りのことや、改善してほしいと感じる点はございますか?」

顧客の声に真摯に耳を傾けることで、彼らが本当に求めているもの(潜在的なニーズ)を深く理解でき、より的確な次の提案へと繋げることができます。

5. メモを取りながら話す

顧客との会話の中にこそ、ビジネスチャンスの種は隠されています。会話中に相手が話した些細な情報(悩み、関心事、家族構成、興味など)を、必ずメモに書き留める習慣をつけましょう。

これらの情報は、次回以降の提案内容をパーソナライズしたり、アイスブレイクのきっかけになったりと、多方面で役立ちます。「自分のことを覚えていてくれた」という事実は、顧客に感動を与え、信頼を勝ち取るきっかけの1つとなります。

6. クロージングは自然に行う

無理な押し売りは、それまで築き上げてきた信頼関係を一瞬で破壊します。もし次のステップ(提案やアポイント)に進めたい場合でも、あくまでも自然な流れで、相手に選択権を委ねる形で誘導しましょう。

【好印象を与えるクロージングの例】

「もし今後、この件についてさらに詳しいご案内が必要だと感じられましたら、その際は改めてお時間を頂戴できますと幸いです。いかがでしょうか?」

「もしよろしければ」「もしご興味があれば」といったクッション言葉を効果的に使うことで、相手に対するプレッシャーを軽減し、スムーズに次の約束を取り付けることができます。

7. フォロー後は「必ず記録する」

フォローコールの価値は、電話を切った瞬間に終わるわけではありません。その内容をいかにして組織の資産として活用し、次のアクションに繋げるかが重要です。

CRMやリマインダーをセットし、戦略的かつ体系的にネクストアクションを取っていきましょう。

【ポイント】

  • CRM(顧客管理システム)への詳細な入力: 話した内容、顧客の反応、次回の宿題、温度感などを、誰が見ても分かるように具体的に記録します。
  • 次回アクションの具体的なリマインダー設定: 「〇月〇日までに、〇〇の資料を送付する」といった具体的なタスクを、スケジュールに登録し忘れないようにします。

フォローコールでよくある失敗とその対策

ここでは、多くの人が無意識にやってしまいがちな失敗例と、それを未然に防ぐための具体的な対策をご紹介します。

失敗例1:営業色が強すぎる

「新商品の案内でお電話しました」ではなく、「〇〇様のお役に立てる新しい情報がございますので、少しだけお耳を拝借できませんでしょうか?」と言い換えるだけで、印象は大きく変わります。

→ 解決策:常に顧客視点に立ち、「あなたのためのサポートです」というスタンスを明確に打ち出す

失敗例2:話が長すぎる、相手の時間を奪ってしまう

事前に話す内容の要点をまとめ、時間を意識することで、密度の濃いコミュニケーションが可能になります。もし話が長引きそうであれば、「この後、もう少し詳しいお話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」と、一度相手の許可を得ましょう。

→ 解決策:常に「3〜5分以内で簡潔にまとめる」という時間意識を持つ

失敗例3:相手の都合を全く考慮しない

相手が忙しい時間帯(始業直後や終業間際など)を避けるのはもちろんのこと、電話をかける前には必ずこの一言を伝え、相手への配慮を示しましょう。もし都合が悪そうであれば、「では、改めて何時頃にご連絡させていただくのがご都合よろしいでしょうか?」と、代替案を提示するのがスマートです。

→ 解決策:必ず「今、お時間よろしいでしょうか?」という確認の一言を添える

失敗例4:しつこく食い下がってしまう

断られたからといって、その顧客との関係が終わるわけではありません。むしろ、ここでの引き際の美しさが、将来の可能性を繋ぎます。「しつこい営業」というネガティブな印象を残さないことが何よりも大切です。

→ 解決策:「承知いたしました。またご興味が湧いた際には、いつでもお気軽にお声がけください」と、潔く、そしてスマートに引く

【まとめ】フォローコールを制する者は、営業を制す

フォローコールは、単なる「後追いの電話営業」ではありません。「私たちは、あなたのことを常に気にかけています」という温かいメッセージを伝え、顧客との信頼の架け橋を築くための、極めて重要なコミュニケーション手段です。

今日ご紹介した数々のコツを意識し、一つでも多く実践することで、良い変化や影響が訪れると思います。

  • 顧客からの揺るぎない信頼の獲得
  • 目に見える形での成約率アップ
  • 長期的なファンとなってもらえるリピート率の向上

これらの輝かしい成果は、全て一本の電話から始まります。

弊社スリーピースでは、フォローコールの代行や営業支援をさせて頂いております。

詳しくは下記をご確認頂くか、お問い合わせフォームよりご連絡ください。