COLUMNS コラム

BtoB営業

更新日:

BtoBテレアポのコツでアポ率を上げる|受付突破からスクリプト設計まで徹底解説

BtoB(Business to Business)の新規顧客開拓において、デジタル施策が多様化する現代でも、テレアポ(テレフォンアポイントメント)は直接的なアプローチが可能で効果的な手法です

しかし、受付の突破や決裁権者への到達が難しく、多くのアポインターが成果に伸び悩んでいるのも事実です。

本記事では、貴社のテレアポの「アポ率(アポイント獲得率)」を高めるために、BtoB営業の専門家である弊社が、BtoBテレアポの成果を最大化するための「コツ」を、「準備」「実行」「改善」の3つのフェーズに分けて徹底的に解説します。

BtoBテレアポの成果を最大化する3つのフェーズ

BtoBテレアポの成功は、単なる「話し方」だけで決まるものではありません。

成果は、「①準備(戦略)」「②実行(戦術)」「③改善(分析)」という一連のプロセス全体によって創出されます。

【フェーズ1】アポ率の9割を決める「準備」のコツ

多くのテレアポが失敗する最大の原因は、準備不足です。架電(電話をかけること)を開始する前に、以下の4点を徹底してください。

1. ターゲットの明確化と「リスト」の精査

BtoBテレアポにおいて、架電リストは「誰に(Who)」アプローチするかを決定づける、最も重要な要素です。

「何を話すか」以前に「誰にかけるか」で成果を大きく左右します。どれほど優れたトークスクリプトや話術があっても、自社のサービスを全く必要としていない相手に電話をかけていては、アポイントには繋がりません。

まず「自社が本当にアプローチすべき企業はどこか」(ターゲットの明確化)を定義し、次に「そのターゲット企業だけを厳選した『質の高いリスト』を用意する」(リストの精査)ことが重要です。

この最初のステップが、テレアポ活動全体の効率とアポ率を左右する最も重要な土台となります。

  • ターゲットの解像度を上げる: 「中小企業」といった曖昧なターゲットではなく、「従業員数50〜100名」「関東圏」「製造業」「情報システム部門」など、具体的なペルソナ(理想の顧客像)を定義します。
  • リストの「鮮度」を確保する: 古いリストは、担当者の退職・異動、社名変更などで情報が陳腐化しています。リストの購入時期や作成日を確認し、必要であればクリーニング(精査・更新)を行います。
  • コール対象の優先順位付け: リスト全件に均等にコールするのではなく、自社の優良顧客と属性が近い企業や、直近でプレスリリースを出した企業など、有望な見込み客(プロスペクト)から優先的にアプローチします。

2. 「アポイントの目的(ゴール)」の再定義

BtoBのテレアポの目的は、「その場で商品を売ること」ではなく、「次のステップ(商談・デモ・ヒアリング)の約束を取り付けること」です。

  • ゴールの明確化: 今回の電話で獲得すべきアポイントとは何かを定義します。「30分間のWeb会議でのデモンストレーション」「担当者様へのご挨拶と簡単なヒアリング(15分)」など、具体的なゴールを設定します。
  • 目的の共有: アポインター(架電者)と営業担当者(訪問者)の間で、アポイントの「質」に関する認識を揃えておきます。アポの「件数」だけを追い求めると、質の低いアポイントが増加し、結果的に営業効率が低下します。

3. 「トークスクリプト」の設計

トークスクリプトは、アポインターを縛る「台本」ではなく、会話の流れを最適化する「設計図」です。丸暗記するのではなく、全体の流れと各分岐点を理解することが重要です。

スクリプトは、以下の要素で構成します。

構成1: オープニング(導入)

最初の20秒で、信頼性と通話のベネフィット(利益)を伝えます。

目的: 最初の20秒で「聞く価値がある」と判断させ、通話の主導権を握る。

設計ポイント: 「①自社の信頼性(導入実績など)」「②相手との関連性(同業他社事例など)」「③電話の目的(相手のメリット)」を、簡潔かつ具体的に伝えます。

  • (悪い例)「お忙しいところ恐れ入ります、〇〇株式会社の者ですが…」
  • (良い例)「私、〇〇株式会社で△△(導入実績のある業界・企業名)様向けに、〇〇(課題)の改善をご支援しております〇〇と申します。本日、御社の△△(相手の業務)におけるコスト削減に関する新しいご提案があり、ご連絡いたしました。」

構成2: メイン(本題・価値提供)

相手が抱えているであろう「課題(Problem)」を提示し、それに対する「解決策(Solution)」を簡潔に伝えます。

目的: 相手が潜在的に抱えている「課題」を提示し、それに対する「解決策(自社サービス)」を結びつけ、当事者意識を持たせる。

設計ポイント:いきなり商品説明を始めるのは最悪の展開です。まずは、事前にリサーチした情報に基づく「課題仮説」をヒアリングします。

相手が少しでも課題認識を示したら、「弊社の〇〇であれば、その課題を△△という形で解決できます」と、解決策を明確に提示します。

構成3: ヒアリング(質問)

一方的に話さず、質問を通じて相手の現状やニーズ(BANT条件など)を引き出します。
※BANT条件: Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timeframe(導入時期)

目的: 相手の現状、課題の深刻度、具体的なニーズ(BANT条件など)を正確に引き出す。

設計ポイント:

  • 会話のキャッチボールを生むために、質問を効果的に使い分けます。
  • クローズド・クエスチョン(はい/いいえ): 「現在〇〇はお使いですか?」など、事実確認や会話のテンポアップに使います。
  • オープン・クエスチョン(5W1H): 「〇〇について、具体的にどのようにお困りですか?」など、相手に自由に話してもらい、ニーズを深掘りするために使います。
  • BANT条件(Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timeframe(導入時期))も、このヒアリングを通じて自然に確認できるよう質問を組み込みます。

構成4: クロージング(アポ打診)

相手のニーズが少しでも確認できたら、ためらわずにアポイントを打診します。

目的: ヒアリングで得たニーズに基づき、次のステップ(アポイント)を明確に打診する。

設計ポイント:

  • 相手の課題感や関心が少しでも見えたら、ためらわずにアポイントを打診します。
  • 「もしよろしければ、一度詳しいご説明の機会を…」といった曖昧な依頼はNGです。
  • *「その課題でしたら、具体的な解決事例がございますので、一度Web会議で30分ほどお時間を頂戴できませんか?」のように、アポイントの目的と所要時間を明確にして打診する流れを組み込みます。(※具体的な打診方法は後述の「クロージング」セクションで詳述)

構成5: 想定問答(反論処理)

目的: 予測される反論(断り文句)に対して、会話を継続するための切り返しを準備。

設計ポイント:

  • スクリプト本編と反論処理はセットです。「忙しい」「必要ない」「資料だけ送って」などの典型的な反論に対する切り返しパターンを事前に用意しておきます。(※詳細は後述の「反論処理」のコツで解説)

4. ネガティブな感情を管理する「マインドセット」

BtoBテレアポは、拒絶されることが前提の業務です。そのため、テレアポに望むマインドセットを整え、ネガティブな感情に引っ張られないようにする必要があります。

  • 「断られること」を前提とする: 100件かけて1件のアポイントが取れれば良い、という意識を持つことが重要です。断られたのは「あなた」が否定されたのではなく、「タイミング」や「ニーズ」が合わなかっただけです。
  • 「役割」として実行する: 個人の感情を分離し、「アポインター」という役割として機械的に、しかし丁寧にタスクを遂行する意識が求められます。

【フェーズ2】アポ率を飛躍させる「実行」のコツ

準備が整ったら、いよいよ架電(テレアポの実行)です。

ここでは、テレアポの最大の障壁である「受付」と「担当者」との対話における具体的な技術を解説します。

受付(ゲートキーパー)突破の技術

BtoBテレアポでは、まず受付(総務部や代表電話の担当者)を突破し、目的の担当者(キーパーソン)に繋いでもらう必要があります。

受付担当者は「不審な電話を遮断する」という役割を担っています。そのため、ゲートキーパーである受付担当者から、ターゲットパーソンに繋いでもらうため、以下のようなポイントに留意しましょう。

  • 「営業」と思わせない: 受付は「営業電話」というキーワードに敏感です。「営業でお電話しました」は絶対NGです。「ご提案」や「ご確認」といった言葉を選びます。
  • 堂々と、丁寧に話す: 自信のない小さな声は、不審さを増長させます。明瞭な発音で、丁寧な言葉遣いを徹底します。受付担当者を「敵」ではなく、「協力者」として扱います。
  • 担当者名を指定する: (可能であれば)事前に調査し、担当者の「氏名」で呼びかけます。「〇〇様はいらっしゃいますか?」
  • 部署名を指定する: 氏名が不明な場合は、部署名を指定します。「人事部の〇〇ご担当者様をお願いいたします。」
  • 用件の切り出し方: 「ご用件は?」と聞かれた場合が勝負です。
    • (悪い例)「新サービスの営業です」「資料を送りたいのですが…」
    • (良い例)「私、〇〇(サービス名)の件で、△△(部署名)のご担当者様にお繋ぎいただきたくご連絡いたしました。」
    • (Tips)「〇〇様(担当者名)宛に、先日〇〇(資料名)をお送りした件で、ご確認のお電話です。」(※実際に送付している場合)

担当者(キーパーソン)との対話術

無事に担当者に繋がったら、そこからが本番です。

  • 最初の20秒で「自分ごと」化させる:
    「お忙しいところ失礼いたします。30秒だけよろしいでしょうか。私、御社と同業の〇〇社様の〇〇(課題)を30%改善した実績のある〇〇(サービス名)について、情報提供のお電話をいたしました。」
    → 相手の業界や課題に言及し、「聞く価値がある」と判断させます。
  • 「話す」より「聞く」(傾聴と質問):
    テレアポの目的は、相手のニーズを発見することです。一方的にサービス説明をせず、「現状、〇〇(関連業務)について、どのような点でお困りですか?」「〇〇のツールはご利用されていらっしゃいますか?」など、開かれた質問(Open Question)を投げかけ、相手に話させることが重要です。
  • 「メリット」ではなく「ベネフィット」を伝える:
    • メリット(機能): 「このツールは〇〇が自動化できます」
    • ベネフィット(利益): 「このツールで〇〇が自動化されることで、御社の〇〇部門の月間残業時間が平均5時間削減されます」
      → 相手がそのサービスを導入した結果、どのような「良い未来」が手に入るかを具体的に伝えます。

効果的な「反論処理(切り返し)」

担当者からは、さまざまな「断り文句(反論)」が返ってきます。ここで即座に引き下がらず、適切に応対することでアポ率は大きく変わります。

原則: 反論には、まず「共感(クッション)」を示し、その後「反論の転換」を行います。

【反論パターン1】「今、忙しい」

  • (NG)「いつ頃がよろしいですか?」
  • (OK)「お忙しいところ大変失礼いたしました。ちなみに、要件だけでもお伝えしたいのですが、30秒だけ頂戴できませんでしょうか?」
  • (OK)「承知いたしました。改めておかけ直しいたしますが、比較的お時間が取りやすい時間帯(例:明日の午前中、〇曜日の午後など)はございますでしょうか?」

【反論パターン2】「興味ない」「必要ない」

  • (NG)「承知しました。」
  • (OK)「さようでございましたか。失礼いたしました。ちなみに、皆様最初は『必要ない』とおっしゃるのですが、〇〇(具体的なメリット)の部分だけでもお聞きいただき、ご判断いただくことは可能でしょうか?」
  • (OK)「承知いたしました。差し支えなければ、今後の参考のため、どのような点にご興味をお持ちいただけなかったか、1点だけお教えいただくことは可能でしょうか?」(※ニーズの深掘り)

【反論パターン3】「資料だけ送って」

  • (NG)「かしこまりました。お送りします。」(※アポイントに繋がらず、資料も見られない可能性が高い)
  • (OK)「かしこまりました。ただ、資料をお送りするだけですと、御社の状況に合わせた最適なご提案が伝わりづらい可能性がございます。後日、資料をご説明するためのお時間を5分だけでも頂戴できませんでしょうか?」
  • (OK)「もちろんでございます。ただ、より御社の課題に即した資料をお送りしたく、1点だけお伺いしてもよろしいでしょうか?(現状の課題について質問を開始する)」

確実なアポイントを獲得する「クロージング」

会話の中で相手のニーズや関心を少しでも引き出せたら、そこがアポイントを打診する絶好のタイミングです。ためらわずにクロージング(アポイントの獲得)に入りますが、ここで成果を逃さないための具体的な技術が求められます。

アポイントの可否を問わない「二者択一法」

クロージングで最も避けるべきは、「イエス・ノー」で答えられる質問をしてしまうことです。

  • (NG例) 「一度お打ち合わせをさせていただけませんか?」
  • (NG例) 「ご訪問させていただくことは可能でしょうか?」

これらの質問では、相手は「いいえ(不要です)」と即答できてしまい、会話が終了してしまいます。

クロージングの際は、アポイントを打診すること自体を前提として会話を進め、相手に「日時」を選んでもらうアプローチが鉄則です。これを「二者択一法」と呼びます。

  • (OK例) 「ありがとうございます。その課題でしたら、ぜひ具体的なデモをお見せしたいのですが、来週の火曜日の午後と、水曜日の午前中でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?」

人は「AかBか」という選択肢を提示されると、そのどちらかを選ぶという心理が働きます。これにより、アポインターが会話の主導権を握ったまま、スムーズに日程調整に入ることができます。

アポイントの「質」を高める目的の再確認

無事に日程の合意が取れたら、そこで安心してはいけません。アポイントの「質」を高め、相手の期待値をコントロールするために、必ず「アポイントの目的」を再確認します。

  • (OK例) 「ありがとうございます。それでは来週火曜日の14時からですね。当日は、本日お話しいただいた〇〇(相手の課題)の件につきまして、弊社の〇〇(サービス)がどのようにお役立ていただけるか、具体的な事例を交えてご説明いたします。」

このように目的を明確にすることで、相手は「これは単なる挨拶ではなく、自分の課題解決のための有益な時間だ」と再認識します。これにより、相手の事前の準備(期待)が促され、商談当日のドタキャン防止や、温度感の高い商談スタートに繋がります。

ドタキャンを防ぐ「復唱確認」

最後に、決定事項をアポインターと相手の双方で明確に復唱し、認識のズレを完全になくします。これは、アポイントのすっぽかしや日程間違いといった最も基本的なミスを防ぐための重要なプロセスです。

  • (OK例) 「それでは、最終確認でございます。 日時: 〇月〇日(〇)の〇時〜〇時(30分間) 場所: Web会議(Zoom URLは後ほどメールでお送りします) 参加者: 御社は〇〇様、弊社はわたくし〇〇 上記でお間違いございませんでしょうか。」

日時、場所(またはツール)、参加者を具体的に復唱することで、アポイントが正式に確定したという「合意」が形成されます。このひと手間が、確実な商談実行率に直結します。

【フェーズ3】アポ率を継続的に高める「改善」のコツ

テレアポは「実行して終わり」ではありません。データを分析し、プロセスを改善し続けることで、アポ率は安定的に向上します。

架電データの分析と「KPI」の可視化

感覚的な「頑張り」ではなく、数値(ファクト)に基づいて改善を行います。最低限、以下のKPI(重要業績評価指標)を計測します。

  • 架電数(コール数): 1日にかけた電話の総数。
  • 受付突破率: 架電数に対し、受付を突破して担当者と通話できた割合。
  • キーパーソン接触率: 架電数に対し、目的の担当者(決裁権者)と話せた割合。
  • アポ率(対架電): 架電数に対し、アポイントを獲得できた割合。
  • アポ率(対接触): キーパーソン接触数に対し、アポイントを獲得できた割合。
  • 商談化率: 獲得したアポイントのうち、実際に営業が商談(訪問・Web会議)を実施できた割合。

分析の視点:

  • 「アポ率(対架電)」が低いが、「アポ率(対接触)」が高い場合 → 課題は「受付突破」にあると分かります。
  • 「アポ率(対接触)」が低い場合 → 課題は「担当者とのトーク」または「リストの質」にあると分かります。

ツール(CRM/SFA/CTI)の活用

効率的なテレアポとデータ分析には、ツールの活用が不可欠です。

  • CRM/SFA: 顧客情報や過去のコンタクト履歴を一元管理します。
  • CTIシステム: PCからワンクリックで発信したり、通話を自動録音したりするシステムです。

「ロープレ」と「通話録音」によるフィードバック

最も効果的な改善方法は、実際の通話を聞き返すことです。

  • セルフレビュー: 自身の通話録音を聞き返し、「間(ま)が悪い」「『えー』『あのー』が多い」などの癖を客観的に把握します。
  • ロープレ(ロールプレイング): 上司や同僚と、アポインター役と顧客役を演じます。特に「反論処理」の練習に効果的です。
  • 成功パターンの共有: 成果を出しているアポインターの通話録音をチーム全体で聞き、スクリプトや言い回しを標準化します。

BtoBテレアポの成功確率を高めるその他の重要事項

架電に適した「時間帯」の選定

一般的に、以下の時間帯は避けるべきとされています。

  • 月曜日の午前中: 週初めの会議やメール処理で多忙。
  • 金曜日の午後: 週末前で業務の追い込みや、気分が緩んでいる時間。
  • 始業直後(9時台)と終業間際(17時以降): 準備や片付けで多忙。

狙い目の時間帯:

  • 火曜〜木曜の 10:00〜12:00 / 14:00〜16:00

ただし、これはあくまで一般論です。ターゲットの業種によって最適な時間帯は異なります(例:飲食店や小売店は昼休みや夕方のピーク時を避ける)。

「インサイドセールス」としての視点

現代のBtoBテレアポは、単なる「アポ取り(Appointment Setting)」ではなく、「インサイドセールス(Inside Sales)」の一部として機能することが求められます。

  • 「今すぐ客」だけを追わない: テレアポは、まだニーズが顕在化していない「潜在顧客」にアプローチする行為です。
  • 「見込み客の育成(リードナーチャリング)」: たとえアポイントに繋がらなくても、「現状では必要ないが、〇〇(課題)については情報収集している」といった情報を引き出せれば、それは「成果」です。
  • 関係性の構築: 次回のコンタクトに繋げるための情報(担当者名、現在の課題、検討時期)を獲得し、CRMに記録します。

まとめ:BtoBテレアポ成功の「コツ」 要約

BtoBテレアポの成果は、精神論や単一のテクニックではなく、「準備」「実行」「改善」という3つのフェーズにおける具体的な施策の積み重ねによって決まります。本記事で解説した「コツ」を以下に要約します。

【準備フェーズ】アポ率の9割を決める土台

テレアポは架電前から始まっています。以下の4点がアポ率の土台となります。

  • ターゲットとリストの精査: 「誰に」かけるかを明確にし、古いリストはクリーニングします。
  • ゴールの再定義: 目的は「売ること」ではなく、「次の商談の約束」を取り付けることです。
  • トークスクリプトの設計: 導入(オープニング)、ヒアリング、クロージング、そして反論処理までを網羅した「設計図」を用意します。
  • マインドセット: 断られることを前提とし、感情を分離して「役割」として遂行します。

【実行フェーズ】アポ率を飛躍させる技術

実際の架電においては、2つの主要な障壁を突破する技術が求められます。

  • 受付(ゲートキーパー)突破: 最大の難関です。「営業」と思わせず、堂々と、担当者名や部署名を指定して「協力者」として突破します。
  • 担当者との対話:
    • 最初の20秒で「自分ごと」化させ、聞く価値を示します。
    • 一方的に話さず、「傾聴」と「質問」で相手のニーズを引き出します。
    • 機能(メリット)ではなく、相手の課題が解決された未来(ベネフィット)を伝えます。
  • 反論処理とクロージング:
    • 「忙しい」「興味ない」「資料だけ」といった典型的な反論には、「共感+転換」で対応します。
    • クロージング(アポ打診)は、「二者択一法」(例:「火曜と水曜ならどちらが?」)を用いて主導権を握ります。

【改善フェーズ】成果を持続させる仕組み

テレアポは「実行して終わり」ではありません。データを分析し、プロセスを継続的に改善します。

  • KPIの可視化: 「架電数」「受付突破率」「キーパーソン接触率」「アポ率」などを計測し、課題が「受付」にあるのか「トーク」にあるのかを特定します。
  • フィードバック: CTI(通話録音システム)を活用し、成功したトークをチームで共有したり、ロープレを行ったりすることで、全体のスキルを底上げします。

BtoBテレアポは、これらのプロセスを科学的に管理し、実行と改善を繰り返すことで、アポイント獲得率を確実に高めていくことが可能です。